台湾サプライチェーンが授ける翼 世界の航空宇宙産業は新たな高みへ

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台湾の航空宇宙産業や国防品製造業は近年大きく成長しています。この背景にはいくつかの要因が考えられます。まず、コロナ後の景気回復と旅行業の成長による世界の航空製造業への好影響、第二に国防産業の台頭がこの成長に欠かせない要因として挙げられます。特にISTAR(インテリジェンス、監視、目標捕捉、偵察)や、通信設備、人工衛星関連の技術に対する需要は増大を続けています。

Research and Marketsが発表したレポート「Aerospace Global Market Report 2024」によると、世界の航空宇宙市場の規模は2020年の2,980億ドルから、2025年には4,309億ドルに成長し、その成長率は7.7%に達する見通しです。また、2025年から2030年までのCAGR(年平均成長率)は5.9%を維持し、2030年の市場規模は5,736億米ドルに達します。このレポートでは他にも、航空宇宙市場の主要なポテンシャルが商用航空機市場に集中していること、航空宇宙産業の補助設備市場(例えば衛星領域など)の需要が拡大していることも指摘しています。

台湾の航空宇宙産業は革新技術の研究開発を促進することを目的とした政府の支援を受け、資金を着実に集めています。台湾航太工業協会の資料によると、政府の支援策には行政院発展基金の中長期融資や国家科学技術発展基金などが含まれていて、いずれも台湾の航空宇宙産業の発展のカンフル剤となっています。こうした取り組みにより、台湾の航空宇宙産業のメーカーは徐々に事業を拡大し、胴体構造、エンジン部品、航空機内装品などの従来の加工から、アビオニクス機器や衛星通信などハイテク製品分野への転換を図っています。さらに、台湾のメーカーは国際プロジェクトへの参加を通じて、大型航空機の生

産、修理、メンテナンスプロジェクトを請け負っています。一例として、台湾最大の航空宇宙メーカーである漢翔航空工業公司(AIDC)は、米ロッキード・マーティン社と協力して、国内だけでなく周辺地域の国々向けにF-16戦闘機の整備・修理・オーバーホール(MRO)などのサービスを提供できる施設を設立しました。

現在台湾には中小規模の航空宇宙製造会社が増えており、その生産量の約60%が整備・修理、メンテナンス、オーバーホールの分野に集中しています。台湾の航空宇宙産業が成長し、能力が向上するにつれて、いくつかの周辺産業もそれに伴って急成長すると予想されていますが、そのうちの一つがまさにプラスチック・ゴム産業なのです。台湾は、航空宇宙市場向けの製品開発、サービス、物流に必要な高性能プラスチック材料、技術、設備を供給しています。難燃剤や複合材料も航空宇宙産業に必要なプラスチック分野の一部で、優れた性能を備えた航空機部品や内装品の開発に活かされています。グラスファイバー、カーボンファイバー、その他の複合材料は戦闘機や旅客機、エンジンブレード、内部装置、広胴型機の主翼などで使用されています。

台湾はこれから航空宇宙活動やプロジェクトに用いられる設備や部品の開発により多くの資源を投入することになるでしょう。今年の「台北国際プラスチック・ゴム工業見本市(TaipeiPLAS)」では、航空宇宙産業への応用が展示の重点の一つになっており、航空宇宙産業市場向けに開発された高性能プラスチック材料や加工のソリューションなどが展示されます。この見本市は9月24日から28日まで南港第1展示ホール(TaiNEX 1)で「台北国際製靴テクノロジー見本市(ShoeTech Taipei)」と同時開催されます。見本市に関する情報をさらに知りたい方は、公式サイト(www.taipeiplas.com.tw)をご覧ください。